絹織物の産地「丹後」発
丹後地方の気候風土は、雨が多く湿度が高く、乾燥を嫌う絹織物の生産にとても適しています。この恵まれた環境のなか、丹後地方では、「ちりめん」が伝わる以前から絹織物が生産されていました。史料に残る一番古いもので、奈良時代(739年)に丹後で織られた絹布が、聖武天皇に献上されており、現在も正倉院御物として残されています。南北朝時代の成り立ちを記した書物、「庭訓往来」によると「丹後精好」と呼ばれる絹織物が丹後地方で織られていたことが記されており、この時代も、丹後地方で絹織物が盛んであったことが窺えます。